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2007年6月15日 (金)

西荻てのひら怪談イベントレポ(その2)

 今回の西荻てのひら怪談で、最終まで残った8編は全体をとおして、ノスタルジックな作品が多かったという所感がまず述べられます。

 残った8編のうち、3つの作品の朗読がはじまります。

 まずは北尾トロさん選として、僕の「象を探して」が朗読されます。自作が100名の前で朗読されるのははじめてなのでにわかに緊張する。

 緊張したせいか、聴いてくださっているひとの方の反応を見るつもりが、それを忘れてうつむいてしまってました。
 ただ、ラスト一行が読まれたとき、「ああっ」という驚きと感心の声があちこちから聞こえたので、自分の狙いがあたった、と「やったぜ」という気持ちになりました。

 トロさんは、「怪談というよりは、ファンタジーよりな作品だけど、西荻らしさが出ていたので、怖い作品はほかの選者の方が選ぶだろうので、僕はこれを選んだ」と語りました。
 しばらくは作中のピンクの象にまつわる話が交わされました。ブックマーク側の方から、ピンクの象の画像が映っていると思しき携帯電話が東さんたちに手渡される。感心される皆さん。
 加門さんは、「西荻を知らない人から見ると異国風ファンタジーっぽい」
 平山さんは「ダリ風」という意見をいただきました。僕は海外文学とシュールリアリズムが好きなので、さすが的確な評です。
 京極さんからは、「象が飛んでいってしまっただけなら、この作品はファンタジーだけど、最後の一行で怪談として着地している」とのことば。
 あいやあ、作品評がいただけて、うれしいかぎりです。
 つづいて、東さん選の不狼児「案内(あない)する」満艦飾というか西荻の雑多さが活字にもあらわれた作品です。これも最後の一行が効果を挙げています。
 穂村さん選君島慧是「黄金の宵」は、800字とは思えないほど内容のぎっしりとした髣髴とした作品。密度が高くて、この世界にどっぷり漬かれます。このただならない構成力には圧倒されます。選者の方の話では、この作家は最近「化けた」様相があるそうです。穂村さんの朗読も内容にあっていて、雰囲気としてはまさに異空につれてゆかれるかのごとしでした。

 そのあと再び談笑。
 質疑応答。このとき、挙手されたのはたしか秋山真琴さんだったかと思います。
 さすが、創作にたずさわるひとならではの鋭い質問で、怪談の本質に迫るもので、パネラーの方もたじたじになっておられました。この質問から発展して、怪談の可能性の追求や幅の広がりの予感、将来への示唆へとつながっていきました。
 日本の怪談文学はこれから、のようです。
 ここで、ひとまず閉会。
「てのひら作家の方はこのあと残ってください」とアナウンス。ふむうん。

(つづきます)

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